中学・高校生の諸君へ

中学・高校生の諸君の進路選択の参考になればと考え、日頃考えていたことを以下に述べる。

             

21世紀は地球時代

・人口爆発:今後40年間に世界人口は.35倍に増加

・エネルギー,食料,各種資源制約が厳しくなる。  

・地球環境の保全:地球温暖化(CO2)・オゾン層破壊(フロンガス) 酸性雨などの問題に対処する必要がある。

・持続的発展可能な開発・環境の復元能力以内の開発を行う必要がある。

地球時代、すなわち  ボーダーレス時代

・地域において   国際的,国内的交流の増大

・精神活動において 価値観の多様化,変化の時代

・高度情報技術(コンピューターネットワーク等)の進展

 :国,企業,個人の結びつき,情報交換の活発化

     ・技術革新の促進

     ・人々の協力関係緊密化

このような変化の激しい環境下で、個人の自主性,独立性,個人の生きがい重視の社会を築く必要がある。

21世紀の日本

人口の高齢化の進展   

2020年 29%以上が65才以上

2008年より人口減少が始まる。

1994年ホワイトカラー(専門・技術,管理,事務,販売)就業者率49.5% 、  2000年同 61

専門・技術職の増大 

・高齢化社会に対応する医療・介護などの生活支援サービス分野           

産業の高度化に対応する情報サービス産業などのビジネス支援サービス分野

・生涯学習の需要増に対応する教育産業分野

 衰退産業から成長産業への産業間,企業間の労働移動,企業内の配置転換の増大

このように仕事を変えなければならない労働移動にどのように対処するか。

  生涯を通じた計画的な職業能力開発が必要

 将来の変化には多くの職業に共通する基礎的知識と基礎理論の学習で対応すべきである。

21世紀の若者に期待すること

1.自立した自己の確立  自分の価値観をもつ

2.合理的思考と行動力をもつこと

3.社会をよりよい方向へ変革する力をもつ

4.情操豊かな生活を実現すること

中学・高校で何を学ぶべきか

学校の目的:自然と人間社会の実態と理論と生活するための基礎的手段の教育

●先人の獲得した各種の知識・知恵・技術習得し自分の人生に生かし、さらに後世代へ伝授すること

●人生の基礎となる時期に一人前の人間となるための人間教育

 人は生まれたときにもっている基本的生存機能である食物を食べ、排泄すること以外のほとんどの生活するための運動機能や言語をはじめとする知的行動などを学習することによって習得する必要がある。人類は何千年ものこのような学習過程と相互に協力する分業方式の活用によって先人の獲得した知識・知恵・技術を積み重ね、現在の高度な産業技術社会を作り上げてきた。現代の人々はその恩恵を享受している。

 したがって、現代人は、この社会を維持発展させる役目を背負っているといえる。そのために、子供が成人するまでに学校で教育するという方式を採用してきた。

 中学・高校時代には,幅広く全科目の勉強をして,自分の適性,天性が何かを見きわめるべきで,将来の人生設計の基礎を作る大切な時期といえる。また生涯付き合うことになる友人関係を作る時期でもある。

 故に、豊かな人生を送るためには、学校で教育される全科目必要で、それぞれが、次のような機能を持っている。

国語・英語:コミュニケーションの手段,行動の記録、思考行為

数学・理科:合理的思考,自然界の理解

社会科・歴史:人間社会の理解,人間社会のあり方の理解

芸術関係(図工・音楽):生活の豊かさの理解

保健体育:健康な身体がすべての活動の源泉

大学の現況

大学は,専門的で高度な知識や理論を教育・研究するための施設。

国立七大学(旧帝大)は,より高度な知識や理論の研究・教育をするために大学院大学化を進めつつある。

 多くの大学で学部や学科名を現代社会に合ったものに変えつつあるが、教育すべき内容はこれまでに体系化されたものなので、学科名に惑わされることなく、その学科で何を学べるかという観点で学科選択をすべきであるその学科を卒業した人がどのような職業に就いているかを見れば、自分の将来像を描くための参考になるといえよう。また、大学には

 大学学部教育 4年間 学士大学院博士前期課程 2年  修士大学院博士後期課程 3年  博士 の学位を取得する課程があるが、工学系では、履修内容の多さから修士課程を修了するのが望ましいと考えられる。

 たとえば、都市工学に関連する職業に就きたい場合、

 都市工学の教育をする学科には、土木系と建築系の学科があるので、学生はいずれが自分に向いているかを判断する必要がある。たとえば、将来ある都市の都市計画の策定に関する職業に就きたいなら、土木系の学科を選ぶべきである。また、住宅団地の設計や計画に携わりたいなら、建築系の学科を選ぶべきである。

進路の選択

 進路の選択においては、自分が目指す分野を決め、それに関連する周辺分野を含む業務内容において具体的な職種や職業として、どのようなものがあるかを調べて、それらに自分が意欲的に取り組めるか、また自分に適性があるかということを、両親、祖父母やその知り合い、先生などの意見を参考にして決断すべきである。このとき、それぞれの職業で成功している人の話を聴ければ申し分ないといえよう。

好きこそ物の上手なれ

What one likes one will do well. ということわざがあるが、好きなだけでは、不十分で、その人にその職業に適性があるかを将来を見通して冷静に判断する必要がある。

最後に、私が心がけてきたことを諸君に伝えたい。

人々の日常生活は Plan do see reflect のくり返しであるので、

Plan (計画):志を高くかかげ,人生と仕事を楽しめ

do (実行):自分の意志を持ち,それを適切に述べよ。

   議論なくして,進歩なし

see(観察):観察,考察,洞察が大切

 現在は変革の時代 将来に対する的確な洞察

reflect(反省):よりよい明日のための反省をせよ。

いつまでもくよくよしないで,あきらめよ。

  人事を盡くして天命を待つ

諸君が実り多き人生を送ることを祈る。

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パーソントリップ調査の意義と期待される役割

本文は平成12年頃、国の財政難から大きな調査費用のかかるパーソントリップ調査を継続すべきかどうかという問題が提起され、それに対して私の意見を中京都市圏パーソントリップ調査協議会の席で述べたものを修正加筆したものである。

1.パーソントリップ調査の意義

 パーソントリップ(PT)調査は交通の主体である人に着目し、世帯および個人属性、自動車保有状況に加えて、1日に行った全交通の目的、起終点、利用交通手段、発生・集中時刻、所要時間などをアンケート用紙によって調査するものである。

 PT調査によってはじめて個人の交通行動が把握され、人の1日の生活と交通との関係を直接的に把握することができるようになった。

 また、従来、道路と鉄道利用の交通は別々に調査されていたのが、PT調査によって都市圏の交通体系全体の人の交通現象を一体として総合的に把握できるようになった。

 さらに、継続的にPT調査が行われたことによって、交通の時間的変化が明らかになり、交通の将来予測精度が飛躍的に向上した。

2.交通施設整備計画とPT調査

 交通施設整備計画のあり方と調査・計画費用との関係

 交通施設整備に際して調査・計画を的確に行えば、交通施設の建設・運営費総額を減らすことにつながり、また社会的な基盤整備事業の費用便益面から見た効率を上げることができる。反対に、調査・計画費用を削ったため、もし、不十分な施設整備計画しか策定できず、それに基づいて施設整備が進められれば、無駄や手戻りが発生し、全体としてはより大きな費用を必要とする事態になりかねない。

3.PT調査に期待される役割

 前述のようにPT調査に基づいて将来の交通計画および対策を策定することが、PT調査結果の活用法の根幹をなしているが、現在では、PT調査は整備された交通施設の利用のされ方や実施されている各種交通対策、政策、情報提供などの効果を把握するための機能を有していることに、より着目すべきであろう。

 社会基盤施設である交通施設の整備効果を把握するためには、その利用実態をPT調査や物資流動調査によって明らかにすることが必要不可欠である。特に、交通施設への投資順位を決定する際に必要となる費用便益分析のための需要階層ごとの所要時間や施設別利用交通量を知ることができる点は、利用者ニーズに対応したきめ細かい交通計画や交通施設運用策の策定につながると考えられる。

 また、将来の適切な交通施設の整備計画を策定するためには、それに対する需要と人々は何に不満を感じているか、どのような交通サービスなら満足するかを理解し、現在の経済的制約と技術水準の下で最も望ましい交通サービスを提供することを考えた交通計画とは何かを明らかにする必要がある。このような要望に応えることができるPT調査を企画する必要があるといえよう。

地球環境の改善への対策(自動車利用から公共交通利用への転換促進)

交通に関して地球環境対策を考える必要性が増大しているが、その一つが自動車利用から公共交通利用への転換促進を図ることである。人々はその内容を知らない交通サービスを利用することはできない。したがって、公共交通の利用促進を図るためには、そのサービス内容(経路、運行頻度、所要時間、料金など)を人々がよく知っていることが必要である。人々が公共交通サービスの内容をどの程度知っているかを調査するのもPT調査の役割に加えるべきである。 特に、自動車利用者が公共交通サービスの内容を知っているかどうかを調査できる点が重要である。

継続的交通調査の必要性

社会環境およびそれに対する人々の意識は時代とともに変化しており、これらの交通行動に与える影響も当然変わるので、それらの様子を時間を追って調査する必要がある。

PT調査を定期的に行うことは、交通に関わる社会環境や意識の変化を総合的、継続的に捉えることができ、交通行動の将来予測の精度の向上を図ることができるようになる。

結論的に言えることは、変化し続ける交通の実情を知らずして、適切な交通計画や交通対策を立てることは不可能であるということである。交通行動を総合的に捉える調査であるPT調査の重要性は従来より増しているといえよう。

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