ETC導入後の高速道路利用者意識調査をふまえた
本文は関西大学大学院の魚住隆文君の修士論文の一部を交通工学研究発表会で報告したものである。
近年,わが国のモータリゼーションの進展や急速な都市化は,交通渋滞,交通事故,通勤混雑などの交通問題を顕在化させている. これらの問題を解決するために,国土交通省は最先端の道路通信技術(IT)を駆使し人と道路と車とを一体のシステムとして構築することで,安全性,輸送効率及び快適性の向上を実現するとともに,渋滞の軽減等の交通の円滑化を通じて環境保全に大きく寄与することを目的としたITS(Intelligent Transport Systems)事業を推進している.そのITSの開発分野の一つとして,2001年3月から高速道路の料金所渋滞の解消を目的としたETC(Electronic Toll Collection system)サービスが開始された.ETCによってドライバーの利便性が向上する一方,他車との接触事故,追突事故や自動車単独の施設衝突事故が増加傾向にある.これらの事故要因は,ETCによるものなのかどうかを明らかにし,安全に料金所を通過するための対策を講じることは大変重要であると思う.
これらの背景より,EFP(次世代ETC)サービスを実現するにあたり,既存ETCの問題点を明確にし,料金所を通過する際にドライバーが感じる危険意識について把握することが大切となってくる.そこで本研究では,高速道路利用者にアンケート調査を実施し,既存ETCに対してどのように感じているのかをETC利用者と非ETC利用者に分けて,比較・分析している.
さらに料金所付近での自動車交通事故データより,類型別の交通事故要因を明らかにしている.交通事故要因とは,大きく分けて運転者側などの人的な要因,交通環境面での問題が考えられる.これらの要因が複雑に絡み合って事故が発生していると考えられる. これらの交通環境面の要因と,運転者側の人的な要因の相互関係によって発生していると考えられる料金所での交通事故の因果関係を知ることにより,交通事故の抑制を図ることを目的としている. 本研究では,ETC導入後に高速道路料金所付近での交通事故分析といった新しい問題に取り組むため,既往研究の手法や理論を概観した結果を踏まえ,既往研究には見当たらない新しい視点に基づく検討をしていく.そして,交通事故要因の因果構造を明確化し,その因果構造をもとに,安全対策,交通事故の抑制策を提案している
その全文を以下に示す。
| 固定リンク
「ETC・高速道路事故分析」カテゴリの記事
- ETC導入後の高速道路利用者意識調査をふまえた(2011.10.28)
